Tablao タブラオ:フラメンコのショーを見せるレストラン 等に行くと、時に客席からpalmas パルマ:手拍子 を打つ人を1人や2人は見かけるものです。

 

 全くフラメンコの事を知らないお客様が、「いいぞ~」との声援の気持ちから思わず手を叩いてこられる・・・・これは残念ながら、compás コンパス:リズムが、全く見当外れでして、舞台上の者にとって、実は有難迷惑の典型であります。

 

 フラメンコのマナーを心得た他のお客様が気付いて、たしなめて下されば一番良いのですが、中々、日本人同士は他人の無礼を注意できないものです。

スペインで(観光客相手ではないショー)なら、そんな行為があれば、周りからすぐに「シィッ!」と睨まれるでしょう。

 

 でも、この全くの素人さんの応援手拍子というのは、実際のところそれほど問題ないのです。

音量が小さいし、腕も疲れてしまうので長続きはしないもの・・・、リズムが大きく外れているほど、無視しやすいとも言えます。

 

 それより悩ましいのは「どこかでフラメンコを少しだけ齧った人」のpalmas なのです。

プロなら決してそんなことはしませんから・・・・、客席で微妙に外れたpalmasを「自信を持って」「いつまでも」叩いて下さるのは、間違いなく、どこかの練習生さんなのですね。

 

 どうか、知っておいて下さい。

あなたのpalmasが、例え、どんなに素晴らしい音でリズムもしっかりしていたとしても!客席から叩いてはいけません。

これはフラメンコを見る上で、最低限のルールなのです。

 

 実は大昔、自分自身が練習生だった頃、そうとは知らずにこのルール違反を犯してしまい、後で、先輩にこっぴどく叱られたことがあります。

 

 タブラオでは無かったのですが、先生が踊っておられる時に「よかれ」と思って、生徒仲間でpalmas やjareos を入れてしまったのでした。

 

 今、思い返せば、赤面の至り。穴があったら入りたい・・どころか、穴が無ければ、掘って入りたいような心境です。

 

 しかし、その時叱ってもらえて良かった。

自分の尊敬する先生や、artista:アルティスタに迷惑を掛けているとは露ほども思っていなかったのですから・・・。

 

 そんな経験も踏まえて、決して「悪気」あっての行為ではない、むしろ「愛情表現」と判っていますので、今では、自分が主催しているイベントでそのような事があった時には、「お気持ちは有り難いのですが、フラメンコは手拍子も1つの芸として確立しておりますので、どうか演奏中は、そちらにもご注目下さい」等とMCを入れ、客席からの手拍子がルール違反であることをお知らせするようにしています。

 

 「傲慢」と受け止められるかも知れませんが、フラメンコのプロは、一秒間に6回、8回、或いはそれ以上のリズムを刻んで演奏したり踊ったりしています。

それも、1人ではなくグループ単位で・・・。

全員の息を合わせる為には凄まじい集中力が必要ですし、本番はその一点に全力を注いでいると言っても過言ではないでしょう。

全てがアドリブで進行して行くのがフラメンコですから、一時も気を緩めることが出来ないのです。

 

 ショーの進行状態や自分の立場から、ちゃんと言えないこともありますし、演奏者たちが我慢をして(良くあることと諦めて) しまうこともしょっちゅうです。

 

 しかし、フラメンコはそういった緊張感の上に成立している芸能である事を、お客様にちゃんと説明して、ご理解頂く方が、結果としてより良いショーに繋がると、私は考えています。

 

 Tablaoの経営者方も、ぜひ、その辺りの情報発信に努めて頂きたいとも思います。

 

 勿論、舞台上から客席へ手拍子を誘うようなメッセージがある時なら、話しは別です。

サービス精神旺盛なスペイン人が、観光客相手のショーで4拍子系の簡単な曲に手拍子の参加を求めるような場面は、時々見かけます。

 

 それならば、ぜひ存分にjaleo ハレオ:かけ声 も掛けて、盛り上げて下さい。

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