私がよく生徒に言い、自分でも強く意識しているのが「フラメンコは熱い心と冷めた頭で・・」という言葉です。

 

 フラメンコは他者(伴奏者ら)と絡んで、共に創り上げていくものなので、熱い思いで踊りに集中すると同時に、その自分を俯瞰して見るだけの冷静さも求められています。

 冷静なばかりでは、見る人に伝えるべき何かが欠けるでしょうし、熱くなりすぎても独りよがりに終わることが多い・・、本当に難しいものですね。

 

 また、これは伴奏者側にも言えることで、特にパルマを打つ人や唄い手は、熱い心で踊り手に貼り付きつつ、冷静に、そして絶妙にjareo:ハレオ(掛け声)を掛けて、踊りを盛り上げなくてはなりません。

踊りを生かすも殺すもパルマとハレオ次第と言っていいでしょう。

そして、それらは「習って覚える類のもの」ではなく「慣れて身に付けるもの」なので、教える側にとっても一番難しい分野です。

 

 自分のことを思い出してみますと、ハレオはクアドロの現場で先輩が掛けるのに同調しながら、自然に身に付けたように思います。

それから、唄を覚える時に、それこそ10回、20回ではなく、何百、何千という単位で同じ曲を繰り返して聞くものですから、そこに録音されているハレオもセットで覚えてしまいました。

 

 パルマは、正確に打つ「技術」を身に付ける練習を、今もずっと続けています。

(1週間パルマの練習をサボると、打てなくなっているのが判り、その点は踊りより顕著)

 

が、「正確な」だけでは、踊りの伴奏として、つまり「楽器」としてのパルマは務まりません。

生身の人間が踊り、ギターを弾くのですから「揺れ」があるのが当然ですし、タラントやシギリージャのように、如何に叩かないでおくか、が問われる曲もありますので・・・、難しいですが苦手意識を持たずに好きになることが上達への道だと思います。

 

私自身、昔、クアドロの現場で何度も先輩から叱られ続けましたが、今となってはそれが財産になっているのだと感謝しています。

 

 この「経験を積む」ということが、アマチュアの方にとっては、一番難しいことでしょう。

一緒に練習できる仲間が居れば一番ですが、下手な者同志で叩いていても、一向に上達はしませんので、誰か自分より上手く叩ける人に参加してもらえる環境を作ることです。

身近に、そんな人が居ない場合の苦肉の策としては、CDやDVDと仲良くするしかありませんが、ともかく「回数をこなすこと」でしか道は開けませんので、覚悟して取り組みましょう。

 

 ハレオやパルマは、感覚の良い人とそうでない人の差が出てしまうところでもあります。

でも、私ってセンスない・・と簡単に諦めないで・・・、耳を養い、腕の筋肉を鍛え、大きな声を出す度胸と腹筋で、誰でもあるレベルまで到達出来ますし、それは踊りの技量とは又別に、上達を目指せる部分でもあるのです。

スペインでは、パルマやハレオを専門に担当する人が居るくらいで、貴重な存在価値と言えるでしょう。

 

 自分がパルマやハレオを自在に操れるようになると、フラメンコのショーを見る視点も変わります。

踊り以外の要素、ギター、唄、パルマ、ハレオと見どころ満載になるほどに、楽しみ方も拡がってゆくようです。

「生命のコンサート」11月23日(月・祭)

効率よくレベルアップするには、休息も大切

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