前回、舞台栄えする人というテーマで、「自信を持って踊りましょう」と書きました。

 

 そう、先ず大切なのは精神的な強さです。

但し、どんなに精神的に強くても、やはり具体的に技量の充実も目指さなくては、想いと身体の距離が出来てしまうだけで、独りよがりな「力み」が目立ってしまうでしょう。

 

 日々の鍛錬で見落としがちなのが「顔:物理的な表情」の練習です。特に「目線をどこに置くか?」はとても大切なポイントなので、いつも意識する習慣をつけたいものです。

 

 例えば、お稽古場でSevillanas(セビジャーナス)を踊る時、向かい合ったパートナーの目はしっかり見て踊るようにしましょう。

日本人は人の顔を見据えることが苦手です。

不躾な印象を与えないよう、目線を宙に泳がせて話す習慣が子供の頃から自然と身に付いているので、「面と向う」と、照れてしまうのです。

 

でもセビジャーナスを踊る時、パートナーと目線を合わせない、というのは、スペインではちょっと考えられないことです。

 

 Sevilla セビージャ:アンダルシア県の町の名前 には、SevillanasやRumba ルンバ:2拍子系の軽い踊り を踊らせてくれるBar バル:飲み物やおつまみを取れるお店(日本のディスコ?クラブ?のもっと素朴な感じ) があります。

 

 そこに集ってくるのは、フラメンコ教室でちゃんと踊りを習っている人から、何となく雰囲気で踊ってしまう人まで、様々なSevillanasファンたちですが、誰でも初対面同士、気軽に組んで踊りを楽しみます。

 

 組んだ相手が男性なら、きっと恋人を見るような熱い視線を注いでくれるでしょうし、女性なら旧知の友人に再会できたような温かい表情を向けてくれることでしょう。

 

Sevillanasのように、軽くて明るい曲は「顔」のウォーミングアップをするのに最適なのです。

 

 自分では楽しく踊っていたつもりなのに、後で発表会の写真などを見ると、随分と無表情に映っていて愕然とした、ということはないでしょうか?

やはり日頃から習慣付ける(練習しておく)ことが大切なんですね。

 

 ちなみに「顔」の表情も、それを動かしているのは「筋肉」です。

目を開閉するのも、食事で口を開閉するのも、笑うのも・・・全て「筋肉」がなせる技。

歯科治療で麻酔をかけられた時に、口の周辺がもったりと動かなくなるのを経験した人なら、イメージしやすいでしょう。

 

 「筋肉」は、鍛えることが出来ます。

顔面神経麻痺の患者さんに向けて考えられた「顔面の体操」は、いわば「100面相の練習」です。

 

①顔の全パーツをギュッと中央に集める(酸っぱ~い顔)

②口や目をこれ以上無理!というほど大きく開ける(超びっくり、あんぐりの顔)

③「い~」の形に口を横に開き、眼球を左右上下させる(歯を剥き出しにした馬みたいな?)

・・とまあ、思いつく限りの馬鹿面を子供が「睨めっこ」する要領でやってみると、顔の筋肉がほぐれる感じ、鍛えられる感じが判ると思います。

日常生活では先ず、滅多にそんな表情しませんものね。

先のブログに書いた、指先の運動と共に実践してみては如何でしょう?これも1分やそこらで済む事です。(人前では出来ないという難はありますが・・・)

 

 日本人の無表情さは「言語」と大いに関係しています。

日本語は余り口の形を大きく変化させなくても発音できてしまう上に、音程が一本調子。大声で話すのは不躾な印象を与えると感じているので、日本人は非常に落ち着いた(悪く言えば不明瞭な)話し方を、自然と身に付けています。

 

 比べてスペイン語は母音の区別が実に明瞭で、かつacento アセント:アクセントを何処に置くかによって意味が変わってしまう文法を持っていますから、非常に音楽的ではっきり語られる言語と言えるでしょう。

 

 そうした根本的な文化の違いからも、日本人とスペイン人の表現力の差を、しみじみと感じてしまうことがあります。

 

 flamenco フラメンコに近づくには、先ず、言語から。そして豊かな表情を手に入れましょう。

 

 

外反母趾だとフラメンコは無理?

発表会で舞台栄えする人

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