本番が迫ってきています。
今日のリハーサルではシギリージャとグァヒーラの決めごと部分を、伴奏者と更に入念に確認し合いました。

 フラメンコはコンパスを外さないという約束を守りつつ、唄を聴く能力さえあればぶっつけ本番でも1曲通せるものです。
タブラオの仕事などで、そうした機会も多々ありました。
何が起こるか判らない楽しみや緊張感があり、そうした環境で踊るのも嫌いではありません。

 しかしながら、今回はこの30年の集大成ですから、やはり自分が1番心地よく感じられるスタイル、つまり唄やファルセータとの一体感ある踊りを目指してきました。まだ自分にそれだけの実力が伴っていないのも事実なので、残り2週間(4回のリハ)を大切にしたいと思っています。

 さて、衣装の直しも「出来た」と思い、着て踊ってみれば、胸のラインが合っていなかったり、脇が持ち上がって地肌が覗いたりと…。ついにスタジオにミシンを搬入です。(直す→着る→踊る→直す→以下繰り返し中。)

 実は今回の為に新調した衣装は1着もありません。
でも、お客様にとっては衣装も見る楽しみのひとつであるに違いないので、同じものはお見せ出来ない…。
そこで大改造となるわけです。

例えばグァヒーラ用のワンピースは3段フリルで裾の広いタイプだったのですが、一度フリルを全部外してラインをややタイトに詰め、フリルを6段に増やして付け直すといった具合です。

 既製品を買うなり、衣装屋さんに頼むなりすればいい話ですが…。
衣装には流行もあるし、今は昔と比べれば驚くほど安く素敵な衣装が手に入るようになりました。
昔と比べればです。

 私がフラメンコを始めた頃、衣装はまず10万円を下りませんでした。練習用のスカート1着でさえ、2万、3万が当たり前の時代で、当時の私(アルバイトで1人暮らし)には手が出ませんでした。

 初めて人前で踊ったのは、琴かおる先生のお仕事でしたが、その時は先生の衣装をお借りしました。その後、小島章司先生の舞踊団でも、公演の際は決められた舞台衣装をお借りするので先ずは問題なく、いよいよ自分がソロで踊る段となって困りました。衣装は全員自前で用意するのが当然ですが、とてもプロにお願い出来るような経済的余裕はなく…、やむを得ず自分で縫ったのでした。

 それまで「家庭科の課題でパジャマを縫う」という人並みの洋裁技術しか持っていなかったものですから、渋谷のチャコットへ通いつめ、既製品の衣装の前にしゃがみ込んでは「目で覚え」「指で測り」、市販のロングドレス用の型紙をあーでもないこーでもないと切り貼り改造するなどして、ようやく赤い衣装を1着作りあげたのでした。うう、懐かしい…。

 1着目は本当に苦労して仕上げましたし、長い間それしか持っていませんでした。(ま、当時は踊れる曲がアレグリアス、セビジャーナス、ファンダンゴスしかなかったのですが)

 その後は作る楽しさも覚えて、何着も数をこなす内には自分の衣装なら型紙なしで布に直にチャコを引き、縫えるようになったものです。更には忙しくて衣装を作る時間がなくなった分、オーダーメイドでも買えるようになりましたし、実際そうしてプロに作って頂いた衣装も沢山持っています。

 そう、沢山有りすぎるのです。
1回、或いはほんの数回しか着ていない衣装、未使用の衣装さえあるというのは何と贅沢な話しでしょうか。

 フラメンコ衣装のカタログを見ていると、金銭感覚が麻痺してくるようで、あら素敵!と思えば10万は下らず、5万なら安い!3万なら買うしかない!と思ったりする訳です。プロにとっての舞台衣装は即ち商売道具、衣装代は必要経費なので、まあ買えばいいのですが…。

 日頃、娘のお下がり学校ジャージなど着て平気な私の感性、衣類や装飾品に対する無頓着さを自覚してみれば、ちょっと落差が有り過ぎるかなぁ…。自作以外の手段がなかった時代のこと忘れたくないなぁ…と。


さて、“Soy yo ” は、やや未完成な文で、つまりYo soy así, 或いはYo soy yo. のことです。「私は私」「私はそうなの」とでも言いましょうか。
昔、SUSIという歌い手のCDタイトルに同様のものがあり「これが私」と和訳されていました。

  先述の如く懐古的な心境もありまして、30周年記念であり、また"Soy yo"シリーズVの11月4日に相応しいのは、“お直し衣装である”という結論に至った訳です。
ご来場の方々は、ほうこれが、と生暖かく見守って頂ければ幸いです。

それにしてもどれもこれも “幅を出す”  即ち“太った!”という点が、これまた悲しい“Soy yo"でありました。(≧∇≦)

※チケット情報: 指定席完売です。自由席はまだ多少ございます。お申し込みはメールにて。satomi_kawasaki@hotmail.com



 


Soy yo Vを終えて

発表会に向けて

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