私の教室は踊りを教えることが中心ですが、時々Jaleos:ハレオとして、短いタンゴを皆で唄うことがあります。

Jaleoは踊りの合間に景気付けや雰囲気の転換として挿入される唄で、クアドロでは良く使われます。

 

 スペイン語やフラメンコの唄に慣れる絶好の素材だと思うのですが、中々、「それらしく」聞こえるのに時間が掛かるようです。

歌詞を覚えるのにひと苦労、そしてパルマを叩きながら唄うのがまた難しい・・・、ですから生徒達が唄い始めた頃は「らしく聞こえなくても」ま、仕方ないかな、と思っていたのですが・・・。

 

 ある程度時間を経ても、どうも何かが違う・・・、音程が悪いとか、声が小さいとか、そうゆう問題ではなく・・・。う~~ん、何がいけないのだろう・・・。

そして、はた!と気が付いたのが「口の形」でした。

 

 そう、日本語は殆ど口の形を変えなくても話せる言語なんですね。一方スペイン語は、はっきりと口角を変化させて話す言葉、どちらも母音は5つなので、日本人にとって「巻き舌」以外は発音するのに苦労の少ない言語ではありますが、日本人のスペイン語とネイティブのそれが一番違っている点は、口角の変化度ではないかしら?と思ったのです。

 

 TVで鳩山総理が語っているシーン、もしボリュームをOFFにしたら、もはや殆ど挙動不審な人にしか見えませんが、スペイン人の場合は、同様の状況でも口角がよく動くので明らかに「何か話している」ことが判ります。

 

 早速、生徒たちに「もっとはっきり母音を意識して口の形を変えて唄ってみて」と言ったら・・、おおっ!ぐんと良くなったではありませんか。唄っている表情もうんと明るくなりました。

どうやら別にイヤイヤ唄っていた訳ではなかったようで・・良かった良かった・・今度は12拍子系のJaleoに挑戦しようね。

 

 言語と表情というのは、とても関係が深いと思います。目は口ほどにモノを言う、と言いますが、顔の中で「表情を決める力」は口も絶大です。

フラメンコの唄い手の口元に注目してみて下さい。とても、よく動いているでしょう。

踊りと同様、唄も「形から入ることが大事」だと気が付いたのでした。

 

 

 春とは名ばかりの寒い日が続いています。久し振りの更新で、最近のスタジオ状況をお知らせしたいと思います。

 

 中級以上のクラスでは、7月18日(日)に新宿エル・フラメンコで行う発表会の為の練習が順調に進んでいます。

ここ数回は、ルネ小平での発表会が続いていましたが、エル・フラメンコは、劇場とは又、違った難しさ、面白さがある場所なので、それを生かしたプログラムにしたいと考えています。

 

 私は昔から、自分自身が踊ること・唄うことより、群舞の構成・演出を考えることの方がより好きでして・・、生徒たちも回を重ねる毎に要領が良くなってきたので、今は新しい構成を考えるのが楽しい毎日です。

5月中には群舞の構成を終わる予定ですから、皆、充分に踊り込んで本番に臨めることでしょう。

 

 入門クラスは、新たに色々な世代の人達を迎え、少しずつ賑やかになり始めました。

最近の傾向として「ちょっと興味があるから・・」というよりは、「ぜひ今こそやっておきたくて・・」という、志の明瞭な人の入会が増えているように感じます。

 これは、私にとってとても喜ばしいことです。

かねてより申し上げていることですが、フラメンコは外国の芸能で、言葉の壁もありますから、私たち日本人にとっては習得にとても時間がかかります。

 習い始めるきっかけは「ちょっとした興味」で良いのですが、やはり「何年かかっても良いから踊れるようになりたい」という強い意志がないと、どうにもならないものなのです。

 

 それらしく踊れるようになるには、舞踊経験や身体能力の差を考慮しても、早い人で3年はかかるでしょうか・・・。

「振り付けを覚える」ということと「フラメンコを踊る」ということは、また次元の異なる話しなので・・・、本当に難しいものです。

 

 ちなみに、ある程度の年齢になってから始める方は、精神的な成熟度や生活環境の安定度から見て、この「腹を括って向き合わねばならない芸能」に向いているように思えます。

 体力面で、多少不利な部分があるとしても、フラメンコは体力や技術だけで踊るものではないので・・・。

 

 さて私は個人的に、この春から自分の自由になる時間がかなり増えました。娘が高校を卒業して、今までと違った生活リズムを持つようになったので、ようやく家庭優先から仕事優先に生活軸を変えることが出来る時期になったのです。

 

 ですから今は、これまで以上にスペイン語の勉強に励んでいます。10年前、20年前に今ほど勉強しておけばと後悔しつつも、この先10年後に同じ想いに捕らわれたくはないので・・・、今日の「因」が明日の「果」だと言い聞かせています。

 

 実は先月末から、あるスペイン人女性に踊りを教え始めました。ANIFERIAを見に来てくれた人が、感動して弟子入りしてしまったのです。スペイン人とは言え、舞踊経験はゼロ、普通の20代半ばの女の子です。

 日本人なら誰でも日舞が踊れるわけではないのと同様に、彼女もフラメンコに対する初心者度は、一般日本人と同じです。

ただ、ひとつ違っている点は・・・、そう、彼女は唄を聞いて踊るので、コンパスへの反応がメチャクチャ速いのですね。身体がついていかないまでも、内側で理解しているのがよく判ります。

私にとってスペイン人を教えるのは初体験ですが「そうか、つまりこうなるのか」と、スペイン語力の差という点で目を瞠ったのでした。

 

 レッスンの後、話題はお互いの好きな作家、読んだ本のことになりました。

彼女は最近、太宰治の「人間失格」を読んで、気に入ったそうです。

曰く「1頁読むのに、1時間掛かるのよ、1時間!それで、又、同じ所をもう一回、もう一回って読み直すの、難しいわね~」

ああこの台詞・・・、私も、何度同じことを言ってきたでしょうか・・・。

外国語を学ぶ難しさは、誰にとっても同じなんですね。

 土曜日に、新規の入門クラスを開講致します。

 

 無料体験レッスンは、毎週、土曜日の10:30~11:30、お気軽に参加なさって下さい。

 

 予めご予約頂けば、他の時間帯に行う事も可能ですので、お問い合わせ下さい。

 

 ※ 平日クラスの無料体験レッスンは、別頁にて、ご案内中です。

 

 用意するもの:動きやすい服装 、踵のしっかりしたパンプスタイプの靴(お持ちであれば)

 

 お申し込み・お問い合わせは satomi_kawasaki@hotmail.com

 

場所は、教室HPの地図でご確認下さい。

http://www.mickey.co.jp/flamenco/